小児鍼灸治療について |
臨床から見た小児針理論
小児は発育の速度が早いために、精神と身体のバランスがみだれ、アンバランスな状態になりやすい。
離乳期頃がもっとも著しく、いわゆる疳の虫症状がそれです。
小児針治療がそのようなアンバランスの調整に役立ちます。
小児は大脳の発達が未熟で、コントロールが不充分なため間脳性の反射が亢進。これが自律神経失調の原因です。その反射亢進に対して、小児針治療が鎮静的に働いてくれます。
乳幼児の主な適応症
疳の虫・夜尿症・異味症・夜驚症・虚弱体質・ 便秘・消化不良症・下痢症・鼻カタル
具体的な治療方針
東洋医学では、その症状の原因、血流の滞りや骨格の歪みを、注意深くみていきます。
西洋医学では、改善が見込めない症状は、血流の滞りや骨格の歪みが原因となっているケースも多く、これらにやさしく対処していきます。
医師に原因不明と診断され、対症療法の投薬を受けている場合や、病院等の通院で、良くならない場合などは、ぜひ一度ご相談ください。
不調の原因である歪みを元に戻し、鍼灸治療により、症状の根本改善を目指します。
子供のもつ自然治癒力は特にすぐれていて、良くなるきっかけをつかむと、すごいスピードで回復に向かいます。 このため、成人と同等の鍼灸治療の刺激は必要ありません。 お子様の年齢に合わせて、治療方法を調整します。治療時間も5~10分程度となります。
東洋医学的な視点で診察後、小児鍼(刺す鍼ではありません)で背中やポイントをさする、
頭蓋骨矯正のためのポイントをやさしく押すなど、低刺激の治療を行い、プラスティック製の置き鍼を使用することもございます。
15歳くらいからは、大人の鍼灸治療と同程度の治療をしていきます。
骨格の歪みから |
幼児期の骨は、まだまだ軟骨の部分が多く占めており、骨端線もはっきりしていますが、
お子様の治療をしていると、顎関節や蝶形骨付近にズレが生じているケースがあり、その多さに驚かされます。このズレや歪みから起因する症例も多いです。出産や過去の怪我や病気などにより、骨格の歪みが、そのままとなってしまっているようです。
鉗子分娩、吸引分娩、難産、お母さんの骨盤の歪みも一因となりますし、頭部を強打、鼻をぶつけたり、勢いよく転んだ衝撃、など、発育中の身体は、ゆがみを貯め込みやすく、不調の原因になっている場合があります。