着床鍼灸治療

1. 着床に適した子宮内膜を作る

子宮内膜を厚くする、整える、のは卵巣内から分泌される「エストロゲン」、「プロゲステロン」

というホルモンの働きによるものです。

これらの性腺刺激ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンによって命令を受け分泌されます。

子宮内膜をつくるための体内命令系統は、脳下垂体と卵巣間の情報伝達で成り立っています。

これらのホルモンは、血流により伝達されます。

健康な子宮内膜を作るには脳から卵巣までの血流による大事な命令伝達がきちんと届く健康な体内環境である必要があります。

排卵期の子宮内膜の厚さは一般的に8~10mm程度、厚みが基準値でなくても、整った子宮内膜を作れれば、着床率が上がるといわれています。

子宮内膜のコンディションは、月経血から判断できます。

月経血の状態で思い当たる方や、病院の不妊治療にて、子宮内膜コンディションの改善を指摘された方は、鍼灸治療を強くおすすめします。

2. エストラジオール(E2)を正常値に

エストラジオール(E2)は、月経で子宮内膜が剥がれ落ちた後、また子宮内膜を厚くする働きをします。エストロゲンの一種、成熟期女性エストロゲンの主成分。 E2値が基準値より低い場合、卵巣が機能低下状態で、無月経、排卵異常などの症状が出現します。

反してE2の血中濃度が高すぎると、生理周期が乱れたり、他の症状がでることもあります。

肝臓の機能低下があるとE2が高い値になります。

肝臓はエストロゲンを分解し、適度に保ちます。肝機能が低下すると、血中E2濃度が上がってしまいますから、生理周期がくるいます。

鍼灸治療を行うことで、肝臓のコンディションを整え、卵胞の成熟・排卵・着床という体内リズムを元に戻し、着床率を促すことができます。

3.子宮・卵巣の機能を高め、卵管の通りを良くする 

鍼灸治療に骨格矯正を融合させ、骨格・骨盤を整えることで、内臓位置を整え、各臓器が本来のポテンシャルを発揮できる状態にします。

臓器の位置がズレていたり下がっていると、周辺の臓器にも負荷がかかります。例として胃が下垂していれば、それにより周辺臓器は圧迫をうけてしまい、血流に影響がでてしまいます。

なめらかさを失った血流により必要成分が供給されないと臓器の機能低下につながり、女性ホルモン伝達も阻害されやすく、着床・妊娠の周期にも影響が及びます。

血流以外でも、卵管が物理的に挟まれたり、圧迫をうけてしまうこともあります。卵管は細いところでは、直径1mm未満の細い管です。この中で卵子と精子が出会い、受精し、受精卵が分裂しながら子宮に運ばれますから、卵管がねじれや、圧迫により、狭くなっていては、受精・着床にいたる確率が低下します。

鍼灸+骨格矯正を融合させた治療を行うことで、腹部の内臓を整え、子宮・卵巣の機能を高め、卵子・精子の通り道を確保し、着床率を上げることを目指します。

4.甲状腺への治療で妊娠初期流産、早産を予防

妊娠初期、お腹の中の赤ちゃんは自分の力で甲状腺ホルモンを作る事ができないため、お母さんの甲状腺ホルモンで成長します。ですから、お母さんの甲状腺機能がとても重要です。

通常時は正常の範囲内でも、妊娠後、甲状腺ホルモンの必要量が増加した時、甲状腺機能が乱れてしまうこともあり、不育症や流産になってしまうこともあります。

鍼灸治療により、甲状腺の働きを整えることで、流産や早産を予防することも、ポイントといえます。

5.卵胞の成長を助ける

1〜4の効果によって

全身の血流を促進させ、ホルモンの伝達をなめらかに 

肝臓の機能を整えE2を正常値に近づける

子宮・卵巣の機能を高め、卵管の通りを良くする 

甲状腺の働きを整える

ホルモン伝達と適切なE2値、子宮と卵巣の機能、甲状腺の働きは、どれも卵胞の成長には、欠かせない要素です。生理周期中、適切に各器官が働くよう心と身体を整えることによって、卵胞の成長を促します。

 

既往歴、慢性症状への治療

以前かかった病気、過去の怪我や手術の跡も、着床の妨げになっているケースも多いです。

個々の患者さまに合わせ、着床を妨げている原因を取り除く治療をしていきます。

盲腸の手術を受けた事がある方、子宮筋腫、卵巣脳腫などで、開腹手術か腹腔鏡手術を受けた事がある方

帝王切開の経験がある方、そのほか経験手術によって、鍼灸治療の内容がかわります。

その他、着床を妨げる既往症や日常習慣の例

甲状腺疾患・日常のストレス過多・糖尿病・甘党の方・尾骨の打撲/骨折・顎関節症・脊柱側弯症・人工中絶手術・軽微な体調不良も着床率を下げている場合があります。

症状は身体が発するシグナルです。

ちょっとした不具合症状から、ひも解ける原因もございます。是非、症状をくわしく教えてください。